逗子で叶えた“カラダと心のデトックス”サロン|【Ayurveda & Henna くう~limited weekend+~】

週3日限定のアーユルヴェーダサロン 多彩なメニューが好評でリピーターも続々 JR逗子駅から歩いて10分ほど、なぎさ通りから少し奥に入ったアパートの2階にあるのが、『Ayurveda & Henna くう~limited weekend+~』(以下、『くう』)です。ネーミングにある通り、営業時間は毎週金土日の3日間。現在は女性限定・完全予約制でサービスを提供しています。

『くう』があるのは、アパートの一室。2017年にオープンしました。山口さんが出迎えてくれました

「2017年にサロンを開き、最初は土日の2日間でしたが、お客様も徐々に増えて、去年の12月からは営業日を1日増やすことができました」

エントランスから見た『くう』の店内

入口の「ヘナハーブテント」の奥には施術ベッドが。

「アーユルヴェーダとはサンスクリット語で『生命の科学』という意味があります。人が食べ物を摂取して消化・吸収・排泄されなかったモノは『アーマ』と呼ばれる毒素として体内に溜まり、それが身体や心の不調やトラブルになるとされていて、アーマを体外に排出することで健康を取り戻すというのが治療の方針です。インドでは医学のひとつとして確立していて、アーユルヴェーダを医師として認定する国家資格があるほどです。インドのケララ州が本場といわれています」

トリートメント前のヘナ足湯。全身が温まります!

山口さんが掲げているのは「カラダに溜まった毒素を取り除く」、「カラダを温める」、「不調を見て見ぬふりをせず自分を大切にする」といった3つのコンセプト。これらを大事にしながら、本場インドから正式輸入した、セサミオイルをベースに複数の薬草を煮出したハーバルオイルを使う全身の「アビヤンガ」と呼ばれるオイルマッサージ、インド古来の薬草でアーユルヴェーダの代表的なハーブとして知られる「ヘナ」を使い身体を温める「ヘナ蒸し」「ヘナハーブテント」、髪と頭皮のエステ&白髪染めの「ヘナトリートメント」といったメニューを提供しています。

インドから正式輸入したハーバルオイル。3種類を使い分け、全身のマッサージに使います

「アーユルヴェーダは『究極のアンチエイジング』とも言われていて、美容に関心の高い方、さらには女性特有のお悩み、内臓や皮膚のトラブル、花粉症といったアレルギー、マッサージによるリフレッシュなど目的な様々ですが、30~50代の女性のお客様が中心です。ブログやFacebook、口コミを通じてお越しいただいています。最近は『Hot Pepper Beauty』でもプロモーションを始めました。地元はもちろん、横浜市や東京都からの方もいらっしゃいます。アーユルヴェーダは日本だと敷居の高いイメージがあり、非日常体験のできる素晴らしいサロンは素敵で、私も大好きです。一方で、もっと身近に生活の延長線上にあるようなサービスを提供したいとも思っていて、『くう』を開きました」

ラジオミキサー、海外生活を経て、
逗子でアーユルヴェーダにたどり着いた!

横浜市出身、金沢区で育ったという山口さん。高校卒業後は東京都内の短大で経営について学んだそうです。ところが学生時代からラジオ局で音響を担当する「ラジオミキサー」の職に就きたいと考えていたそうで、どうにもその夢を捨てきれませんでした。
「短大を卒業してもやりたいことはなく、1年間はフリーターとして過ごしました。同時に、厳しい世界だからといい顔をしなかった両親を説得し、21歳で音響の専門学校に通わせてもらえることになったのです。勉強や就職活動の甲斐もあり都内の制作会社に勤めることができ、念願のラジオミキサーとして、いくつもの番組に携わりました」
ところが30歳を目前に、心境に変化が訪れることに……。山口さんいわく「29歳、女子悩むというか(苦笑)、この先の人生を色々考えたわけです。私は恵まれた環境のなか両親に大事に育ててもらい、仕事も順調。それ自体は幸せなことですが、ひとりで何かにチャレンジしたことがなかったな、と。そこで、一度は海外に住みたいと思っていたので、ワーキングホリデーでオーストラリアへ行くことを決断したのです。観光ビザなどを使い、およそ2年を過ごしました」
滞在の場所として選んだのは、東海岸でシドニー北部にあるクイーンズランド州のヌーサ市でした。ゴールドコーストに近く、ビーチリゾートとしても有名な場所です。
「都市部も考えましたが、日本での生活が慌ただしく、のんびり自然に囲まれて暮らしたかったのが理由です。サーフィンにも興味がありましたし。現地ではシェアハウスに入居しながら英語の学校に通ったり、インドカレー店、ベビーシッターなどをしながら生計を立てていました」
山口さんがヌーサで感じたのは、「好きな場所で、何もしないでもいいんだ」ということだったそうです。「それまでは現代病というか、忙しくてストレスがあるのは当たり前のこと。目に見えた身体の不調が出ないと病院に行かないなど、『ガマンして当然』というのが、私のスタンスでした。渡航する前は、『行くからには目的がないとダメ』、『何か習得してこないといけない』といった焦りも……。ところがいざヌーサに行くと、本当にのんびりしていて、現地の人やシェアメイトも親切。そんな環境に身を置いてはじめて『もっと自由でいい』、『好きな場所で暮らすことで自分らしくあり、周りの人にも優しくなれる』と思いました。それまで、どちらかというと生真面目で固定概念に縛られ、人の顔色を伺う自分が嫌でしたが、そんな私を受け入れてくれる土地と人に接することで、目から鱗が落ちたというか。こうして育ててくれた両親にも感謝しましたね」

帰国後に自分らしく生きる
場所として選んだのが「逗子」だった

とても居心地のいい、ヌーサでの生活。このまま居続けるのか、それとも日本に戻るのか、山口さんは選択を迫られます。そこでふと思い出したのは、もともと美容に興味があり、子どものころからマッサージはするのもされるのも好きだったこと。現地はアロマやオーガニックにも先進的で、「これらを活かしたマッサージやリラクゼーションの勉強をしたい」と考えるようになりました。そこで色々と調べたのですが、オーストラリアに滞在し続けるには金銭的な問題があり、日本に残した家族のことも気がかり……。「いまから学校に行って資格を取り永住権を取ろうという思いには至らず、帰国を決めました」
日本に戻ってからは横浜の実家に戻り、ちょうど子育てで大変だった妹さんのサポートをしたり、学んだ語学を活かして両替や国際送金の仕事に就きました。とはいえ、「やりたいことをやるのが一番、それはマッサージ」という気持ちは忘れようもありません。そうしたなか、以前にアーユルヴェーダのトリートメントを受けたことを思い出し、そのサロンに足を運んでみたのですが、これが大きな転機となりました。
「セラピストの先生に自分の思いを伝えたら、『スクールを開いているので受講してみては』とおっしゃっていただいたのです。しかも、学校に通うには当時の仕事ではムリだったので困っていたら、時間の融通が利く勤め先まで紹介していただけることに。トントンと話は進み、これには乗らないといけないと思いました」

山口さんが治療を体験したケララ州のアーユルヴェーダホスピタル

山口さんは半年をかけてスクールに通い、理論と実践を学ぶことに。なんと、インドのケララ州にあるアーユルヴェーダホスピタルに3週間入院して治療を受けてみるといった体験も! 本場の薬膳料理やトリートメントを体験しました。

アーユルヴェーダホスピタルで食べた薬膳料理。本格的です!

「向こうでは治療がメインで、リラックスを含めた気持ちよさは、日本の方が長けているとわかりました。私はマッサージも好きですし、やはり国内で研鑽を積むべきだと、方向性を自覚することができました」
そして、半年間のスクールを終えて、どうしようかと思案していたところ、ヌーサでの経験から「自分がいい状態になれる場所で過ごすことも大切」と思っていた山口さんは、横浜の家から出てひとり暮らしをすることを決断します。向こうの環境が好きだったので、都心ではなく海山が近く、快適に過ごせる場所を探していたところ、逗子にたどり着きました。それが、2015年のことです。
「学生時代から遊びに来ていたので土地勘はありました。自然に囲まれていて、それこそヌーサのようにビーチサンダルで歩いていても白い目で見られることはありません(笑)。実際に街を歩いてみて心地よさを実感し、この地に移住しようと。オーストラリアではシェアハウスに暮らしていたので、それも悪くないと思い、逗子でもあるかどうかネットで検索したら、シェアハウス『アミチエソーレ逗子』が見つかりました。内見した時、アーユルヴェーダのテキストとか置きたかったのに棚とか収納がなく決めかねたのですが、なんとオーナーさんが対応してくれまして。なら、住むしかないですよね(笑)」

シェアハウスに住んだことをきっかけに
サロンの開業に弾みがついた

さらに、このシェアハウスを選んだことが、山口さんの今日につながっていきます。なんと、このシェアハウスは一室が空いていて、オーナーがアーユルヴェーダのサロンに使っていいと言うのです。
「定期的にやってくるオーナーさんに、私のしたいことを話していたら、『なら、やってみればいい』と提案していただきました。お言葉に甘え、ブログやFacebookを使って告知し、マンツーマンの体験会を月に1~2回開くことにしました。当初は知り合いや友達がメインでしたが、実際に自分がセラピストとして施術をしていくうちに、やっぱりやりたいことはこれだ、いつか仕事にしたいと再確認することができました」
2017年には同じオーナーさんから現在のアパートを紹介してもらい、いよいよ『くう』がオープン。サロンオーナーとして本格的に独立を果たしました。

お客さんに出すのは、石垣島から取り寄せたハーブティのトゥルシー茶。身体の内側から温まります

「その時、もっと広くて土間付きの物件もご紹介いただき、本当はそっちの方がいいと思っていました。家賃は8万円と10万円で開きがあり、私としては『2万円くらいどうにかなる』と考えましたが、オーナーさんから『商売を甘く見てはいけません』とたしなめられ、いまのアパートに落ち着きました。最初のころからそうですが、ビジネス的なアドバイスをたくさんしていただいていて、とてもありがたいです」
現在は月曜日から木曜日まで会社に勤め、残りの3日間はセラピストとして活躍する日々を送っています。

ハーバルオイルによる全身マッサージでリフレッシュ&デトックス!

「客数は月10名前後で、ビジネスとしてはまだまだ。お客様は増えていますが認知は足りず、そこは課題です。ただし、お客様にはご満足いただいているようで、手ごたえは実感しています。みなさん、ヘナハーブテントから出てきた時にスッキリとした表情を浮かべていて、それはとてもうれしく、自分は間違っていなかったと思う瞬間です」

ヘナトリートメントは頭皮にダメージを与えないのが特徴。優しくケアします

逗子という場所を選んだことも「正解でした」と山口さんは断言します。
「ビジネスであれば立地や需給も大切ですが、自分がいい状態であってこそ、最高のサービスが提供できるからです。私が住みたい場所でアーユルヴェーダをすることが大切であり、それが逗子でした。ベストコンディションが整う街であり、気持ちよく生活できています」
いまは二足の草鞋を履いた状態なのであまり休みはありませんが、たまの休日は海まで散歩をしたり、食べるが好きなので、お気に入りのお店もちらほら。「『E.S(エス)』のパンはとてもおいしく、沖縄料理の『くくる食堂』、カフェの『サンサンゴゴ』、『Natural café VIENTO』、ワインバーの『OHANAYA』は高校時代の同級生のお店なので、よくお邪魔しています」
街自体の環境についても、「自然があり日常の買い物や食事に困ることがない、バランスの良いエリアです。交通の便もよく、電車は始発駅なので座って移動もできますから。夏になると観光客が訪れ、『逗子沖縄祭り』など、イベントも盛りだくさん。観光地でもあり住宅地でもあり、色んな表情が見られるところも魅力的です」と話す、山口さん。この地への移住、そしてサロンの開業は、彼女のライフスタイルを大きく輝かせているようです。
最後に、今後の目標を尋ねました。
「どんな不調もあって当たり前ではありません。女性であれば生理痛や便秘などは体質で仕方がない、心の不調となると自分を責めてしまいがちですが、それは違います。身体が整っていくと自然と心も整っていくこと、必ず身体は変わるということを伝えていきたいです。健康志向というとストイックをイメージしますが、好きなことや食べることをあきらめるのではなく、溜め込まない身体を、自分の元々持っている力を底上げすることを大切にしているので、私のアーユルヴェーダは楽しいと思います。習慣でジムに行くような感覚で、アーユルヴェーダを、カラダのメンテナンスを当たり前のように取り入れてもらえるようになるのが夢。いまは女性限定ですが、いずれは男性用のメニューも始め、より多くの方に楽しんでいただきたいです」
逗子という場所で、ますますの成長を目指している山口さん。皆さんも、自然豊かな場所で、「カラダと心のデトックス」に訪れてみてはいかがでしょうか?

シェアハウスでの体験会を経てオープンした『くう』。ますます、地元でマッチし、地元で愛されるサロンになっていきそうです!

名称 『Ayurveda & Henna くう~limited weekend+~』
住所 [su_gmap address=”神奈川県逗子市久木4丁目3-17″]地図[/su_gmap]
神奈川県逗子市久木4丁目3-17 Mare e cagnolino湘南逗子 CIELO 01アクセス:JR横須賀線「逗子駅」から徒歩約10分/京急線「新逗子駅」から徒歩約15分
営業時間 金土9時~21時、日祝9時~19時
Facebook https://www.facebook.com/megyamaguchi921/
WEB https://ameblo.jp/megyamaguchi/

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